


日本には、どうも昔から「苦労して学んだことでなければ意味や価値がない」という、苦学を尊ぶ風潮があります。塾通いや受験勉強には、とかく「勉強は大変だ」という気持ちがつきまといます。しかし、学ぶことが楽しくて、何がいけないのでしょうか?自分がある事に興味や関心を持ったり、ちょっと気になることがあって、インターネットで検索したり、関連する雑誌や本を読んでみる、という経験は、誰にでもあるでしょう。そんな時、私たちは、必ず何か新しいことを学んでいるのですが、これを「辛い、苦しい」と思う人は、ほとんどいないはずです。
江戸時代、「蘭学者」と呼ばれた人たちは、独力でオランダ語を学びました。当時は、まともなオランダ語の辞書さえなかったのですから、彼らの苦労がどれほどのものだったのか、電子辞書やインターネットを使い慣れている私たちには想像を絶します。しかし、当の本人たちはオランダ語を学ぶことは、楽しくはあれど、決して苦しくはなかったはずです。それは、そのオランダ語を学ぶことで、彼らが読みたかったオランダ語で書かれた専門書が読めるようになり、今で知らなかった様々なことを学べる喜びが味わえたからです。
「エンターテインメント」と「エデュケーション」を掛け合わせた、「エデュテインメント」という言葉があります。平たく言えば「楽しく学ぶ」こと、つまり「楽学」です。私は、現在の日本の学校における英語教育に根本的に欠けているのは、この「楽学」という考え方だと思います。未知の世界に足を踏み入れ、今まで知らなかったことを驚きや感動と共に知り、学ぶ。そのための「道具」として、少しずつ外国語を身につけるのであれば、それは決して辛く苦しいことではないはずです。そして、何よりも素晴らしいことに、楽しい学びは自然と長続きし、やがて大きな収穫をもたらすことになるのです。
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[Moonshootから一言] 学ぶことは本来驚きや感動を伴う楽しい活動です。弊社は英語を驚きや感動を得るための手段と位置づけております。英語と触れることが楽しいからこそおのずと長続きし英語力が育まれます。 |
飯吉 透 略歴
東京大学大学院客員教授 (情報学環ベネッセ先端教育技術講座)
マサチューセッツ工科大学(MIT) 教育イノベーションテクノロジー局 シニアストラテジスト
・ 元カーネギー教育振興財団上級研究員・知識メディア研究所所長。
・ 北米や日本を中心に、主要学会・協議会・財団・大学・プロジェクトなどと連携し、テクノロジーを利用した教育の進展に関するビジョン策定・研究開発・啓蒙活動に従事。
・ 招待講演・基調講演・賞審査委員・アドバイザリーボードメンバーなど多数。
・ 世界経済フォーラム「テクノロジーと教育」審議会委員、IMS Global Consortium Learning Impact Awards審査員、NHK国際教育メディアコンテスト「日本賞」審査委員などを歴任。
・ アメリカ教育コミュニケーション工学会最優秀実践賞・同学会研究論文奨励賞受賞。
・ 主要編著書に、「Opening Up Education: The Collective Advancement of Education through Open Technology, Open Content, and Open Knowledge」(カーネ ギー財団・MIT出版)、「マルチメディアデザイン論」「電脳への提言」(アスキー) など。
・ 国際基督教大学・同教育大学院にて学士号・修士号(教育工学)、フロリダ州立大学大学院にて博士号(システム教授学)を取得。
・ 在米歴16年。現在はボストン郊外在住。
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